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DJIドローンの自動帰還(RTH)を初心者向けに
徹底解説

設定・仕組み・使い方・注意点・屋内対応まで完全ガイド

DJIドローンには、万が一のトラブルが起きても自動で離陸地点へ戻ってくれる安全機能が備わっています。
それが自動帰還(RTH:Return to Home、リターントゥホーム)です。

「操作をミスして迷子にならないか心配」
「バッテリー切れで墜落しない?」
「電波が切れたらどうなるの?」

――ドローン初心者の不安は尽きませんが、RTHがあることでこうしたリスクのほとんどを自動でカバーしてくれます。

DJIドローンの自動帰還(RTH)とは?

RTHとは、ドローン自身が考えてホームポイント(離陸地点)へ戻る機能です。

以下の条件で帰還が自動発動します。

  • バッテリー残量が、安全帰還に不足すると判断された時
  • 送信機との通信が切断された時
  • 操縦者が送信機のRTHボタンを押した時

これにより

  • 操縦ミスによる迷子
  • バッテリー切れ墜落
  • 突然の通信断によるロスト

といった、ドローン事故の大半を防止できます。

自動帰還機能はMavicシリーズやNeoシリーズを初め、ほとんどのDJI製品に搭載されています。

自動帰還(RTH)が作動する3つの条件

① バッテリー低下によるRTH

DJIは単純な残量%表示ではなく「帰れるかどうか」で判断しています。

機体は常に

  • 残り飛行距離
  • 飛行高度
  • 風の強さと向き
  • 機体重量

を解析し、

「今すぐ戻らないと離陸地点に届かなくなる」

と判断すると自動でRTHが作動します。

操縦アプリには

  • 「帰還を推奨」
  • 「直ちに帰還が必要」

と明確に表示され、初心者でも迷うことはありません。

② 通信断フェイルセーフRTH

電波が切れると突然帰るわけではなく、

  • 数秒間ホバリングして復旧待機
  • 復旧しなければ設定に従ってRTH発動

という安全手順が組まれています。

通信断の原因には

  • 電波干渉
  • 建物や地形による遮断
  • 飛行距離オーバー

などがありますが、無操作で墜落することはありません。

③ 手動RTH

送信機のRTHボタンを長押しするだけで、いつでも好きなタイミングで帰還可能です。

位置や向きが分からなくなったときでも安心して使え、初心者が最も頼る場面の多い帰還方法です。

自動帰還機能のボタンを長押しすることで発動します。
送信機によって自動帰還機能のボタンの配置が異なります。
以下の図をご参考ください。

DJIドローンはなぜ正確に帰還できるのか?

●衛星測位(GNSS)

DJIドローンはGPSだけでなく、複数の衛星を同時使用。
誤差1m以内の高精度測位で、自動帰還を完遂します。

●IMU(姿勢制御センサー)

IMUは機体の傾き・加速・回転を常に補正します。
強風下でも姿勢を維持し、まっすぐ帰還できます。

●VPS(位置認識カメラ)

機体下部のカメラが地面模様を読み取り、GPSが弱い場所でもホバリングや着陸を安定化します。

帰還から着陸までの流れ

① RTH高度への上昇

建物・樹木などの障害物を避けるため、あらかじめ設定したRTH高度まで上昇します。

②水平帰還

消費電力と風向きを計算し、最短距離よりも“安全ルート”を優先して飛行

③ 精密着陸

離陸時の映像をもとに、数センチ単位で元の場所へ着陸します。

RTH設定は必ず確認

初心者が見落としやすいのがRTH設定です。

確認すべきポイント

  • RTH高度設定
    →周囲の障害物より高く
  • ホームポイント更新確認
    →離陸後アプリでGPS固定を確認
  • フェイルセーフ設定
    →通信断時は「RTH」に指定

RTHが作動しない主な原因

原因
対処
GPS電波が弱い
開けた屋外で飛行
逆風が強い
風の弱い日に飛行
RTH高度が低すぎる
障害物を超える高さに設定
ホーム未記録
離陸前にGPS確認

9割以上は設定ミスが原因。

法律面の注意

日本では

  • 高度150m以上の飛行
  • 空港周辺の飛行
  • 緊急用務空域での飛行
  • 人口集中地域での飛行

を行う際に国交省の許可が必要です。

RTH中も飛行ルールの適用対象となるため、帰還ルートも想定して飛行エリアを選ぶことが重要です。

DJI最新機体の「屋内RTH」

従来、RTHはGPSが使える屋外限定機能とされてきました。

しかしDJI最新モデルでは屋内でも離陸ポイントを認識して帰還できる技術が実用化されています。

倉庫・工場・体育館・イベント会場など、衛星信号が届かない環境でも、条件がそろえばRTH可能となりました。

屋内RTHが使える機体

  • DJI Mavic 4 Pro
  • DJI Air 3 S
  • DJI Mini 5 Pro 等

屋内RTHが使える条件

  • 明るい照明環境
  • 床や壁に特徴ある模様がある
  • 障害物回避センサーが正常機能

屋内RTHの注意点

  • 暗所
  • 床が白一色の場所
  • 狭所や障害物の多い空間

これらでは測位できず、RTHが無効または不安定になる場合があります。

そのため屋内では

  • 低高度テスト飛行
  • 手動操作を基本
  • 障害物センサーON

を必ず守りましょう。

まとめ

DJIドローンのRTH機能は、

  • 複数衛星による正確な測位
  • IMUによる姿勢制御
  • VPSによる精密着陸制御

という高度な技術を組み合わせた、最重要の安全装置です。

初心者にとっては「事故回避の命綱」であり、プロにとっては「作業効率と安全性を高める信頼装備」といえます。

RTHを正しく理解し活用することで、ドローンの紛失・墜落リスクを抑え、安全で安心なフライトを実現できます。

飛行する前に位置情報がちゃんと更新されているか、RTHの高さの設定を確認した上で飛行しましょう!

ぜひDJIドローンのRTHをしっかり活用して、もっと安全で快適なドローンライフを楽しみましょう。

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